ぼくのパパス、
わたしのノンノン。

vol.32
こんなコートは
見たことない!
英国の名門ブランドと
パパスがつくった
〝歴史に残る〟
ダッフルコートって?

昨年から自身のブランド「モヒート」と並行して、パパスのプロダクトディレクターを務めている、デザイナーの山下裕文氏。実は彼がこの秋冬に向けてデザインし、パパスの展示会で発表した一着のダッフルコートを巡って、業界内外の話題が沸騰中なのだとか・・・? 季節外れのネタではありますが、これは絶対見逃せません!

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〝ありえない〟のにクラシック!?

――この間の展示会、来場者の皆さんがこのダッフルに釘付けでしたね。「一体なんなんだ、これは?」と(笑)。

ダッフルに付きものの麻紐がランダムな位置に配置され、しかもトグルを互い違いに留めるよう設計されている。しかも麻紐のダッフルといえばメルトン生地がお約束なのに、こちらはヘリンボーン織り。こんなダッフルコート、今まで見たことない!

山下 実はこれ、以前からやりたかったんですよ。ちょっとありえないデザインで、一見ちょっと難しいそうだけど、着るのが楽しくなるような、遊び心のあるダッフルコートが。

――それでもアバンギャルドじゃなくて、ちゃんとクラシックになっているところが、さすがです! 遠目に見ると、漁村のおじいちゃんが古びたダッフルを間違えて着ちゃってる感じというか(笑)。

山下 それはやっぱり、ダッフルコートの名門中の名門であるインバーティアに別注したからですよね。もちろん日本の工場でゼロベースからつくることもできたんですが、たぶん綺麗に仕上がりすぎるかな、と思って。インバーティアは30年以上前からよく着ていて大好きなブランドでしたし、ある意味究極のプロダクトだとも思っているので、フロントのトグルやその配列以外は、基本的には手を加えていません。そこがクラシックな雰囲気に見えるポイントだと思いますね。

インバーティアとは1904年に英国で生まれたコート専業ブランド。ローデンコートやリバーシブルコートなど、様々な名品アウターを世に送り出してきた老舗ですが、中でもダッフルコートは天下一品! 某メゾンブランドのダッフルコートの生産を一手に引き受けていたことでも有名です。パパス別注の証がそこかしこに!

名門インバーティアの歴史に残るコート

――それが驚きなんですよ(笑)。よくこんなことができたなあ、と思って。某メゾンブランドの名品ダッフルコートをつくっていた名門ですもんね。

こちらは山下裕文さんが描いたストーリーたっぷりのデザイン画。

山下 ぼくも難しいのかなと思っていたんですが、意外にも一発で許可をもらいました(笑)。ただ、当たり前ですけどこのパターンは適当にやってもらっているんじゃなくて、すべての配置を細かく指定しているんです。まずはデザイン画を描いて、パパスのパタンナーさんにトワルをつくってもらい、図面に起こしたうえで発注しています。

――定番のダッフルコートの場合、ヘリンボーン生地にはレザーの紐とホーン(水牛の角)トグル、メルトン生地には麻紐と木のトグルというのがお約束ですが、こちらはヘリンボーンに麻紐とホーントグルという組み合わせで、これもなかなか見ない仕様だと思います!

写真上はインバーティアにおける定番ダッフルの革紐&ホーンのトグル。同社の前例にない・・・というか想像もつかないこのデザインを実現するために、パパスは実際のトワルをつくったうえで発注しています。

山下 たぶん、インバーティアネームのダッフルに麻の紐が付けられたこと自体、今までにないと思いますよ! やっぱりぼくの中では上質なダッフルといえばヘリンボーン織りのカットパイル生地で、特にインバーティアが使っているジョシュアエリス社の生地こそが最高だと思います。ただ、紐については個人的に麻が好きということもあって、一度この組み合わせは試してみたかったんです。かんぬき止めを補強するために、通常は付いていない裏地を貼ったりと、縫製に関してもかなりこだわっていますよ。

インバーティアのダッフルといえば、ジョシュアエリス社が旧式織機を使い織った、ふっくらとしたヘリンボーン生地が大定番。実は世界最高峰と名高いこの生地、かつてはムーアブルックという生地メーカーが織っていたものなのですが、同社の倒産に伴い生産中止に。のちにジョシュアエリス社がその織機を買い取り、生産を再開したというストーリーがあります。そんな生地と麻紐との組み合わせはかなり珍しく、ダメージを防ぐために裏地を貼るなどの配慮も施されています。

――かなり手間がかかっているんだなあ。

山下 実はぼくがパパスで仕事をし始めた頃から仕込んでいました(笑)。このダッフルもそうですが、ぼくがやっている「モヒート」ではできないことが、パパスではできる。ものをつくるという意味では、最高の環境だと思いますね。

――こういうインタビューだと、一応どんなふうに着こなすのがいいか聞くのがお約束だと思いますが・・・(笑)。

山下 もう、何に合わせるっていうレベルではないと思いますね(笑)。自信をもってざっくり着てください!

――同感です(笑)!

世界の名門コートメーカーと、〝男らしい服〟をつくらせたら右に出る者のいないデザイナー、そしてパパスのこだわりとが共鳴して生まれた、歴史に残る本格派ダッフルコート。こんなコートを手に入れられるチャンスはそうありませんよ!

  • TELコート¥297,000(パパス丸の内本店にて受注販売)

こちらのコートは丸の内本店限定の受注生産で、色はネイビーのみ、サイズは38、40、42。価格は税込¥297,000となります。丸の内本店に展示されたサンプルをぜひご覧になってください! ご注文の受け付けは7月31日までで、ご納品は11月下旬頃となります。お問い合わせはパパス丸の内本店(TEL 03-3284-8847)までお寄せください。