Vol.34
松浦弥太郎の
〝理想のスーツ〟
プロジェクト(後編)
ついに完成!
次回のパリ旅は
THE SHIWA SUITで
パパスのクリエイティブオフィサーである松浦弥太郎が、初めていちから企画したスーツ「THE SHIWA SUIT」。毎日着たくなるシワの美しいスーツ。スーツという洋服を通して新しい暮らし方を提案する今までにない一着を、皆様にご紹介できる日がついにやってきました。11月4日〜10日まで開催されるオーダーイベントをお見逃しなく!
- # 松浦弥太郎
- # リネンスーツ
- # シワスーツ
- # スペンス・ブライソン
極上の生地や仕立てをカジュアルな一着に

「THE SHIWA SUIT」は肩幅を広めにとった3パッチポケットのジャケットと、股上深めの2プリーツのパンツとのセットアップ。どちらもやりすぎないゆとりのあるシルエットが特徴です。ジャケットでS〜XLまでの5サイズ、パンツでS〜3Xまでの7サイズを展開しており、松浦氏(172cm/60kg)はどちらもMサイズを着用。
――松浦さん、新品だというのに早速シワだらけですね(笑)。まさに「シワスーツ」!
松浦 工場から完成品があがって以来、毎日のように着ていますから。これは着れば着るほどにすてきになるアイリッシュリネンスーツです。実は昨日、名古屋への日帰り出張にもこのスーツを着て行ったんですが、着心地が軽やかだからぜんぜん疲れなかったですよ。「SPENCE BRYSON(スペンス・ブライソン)」社がつくったアイリッシュリネン生地の上質さもさることながら、ビスポークスーツを仕立てるような、ていねいな縫製でつくられているからかな。






1891年にアイルランドで創業したリネンメーカー、スペンス・ブライソン社。なかでも「トロピカル」と名付けられたこの生地は、やや肉厚で春から秋まで着られる傑作です。特徴は抜群のハリコシで、着用するとご覧のように力強いシワを描き出します。一日着用したあとで、ひと晩吊るしておいたときの雰囲気もまたすてき。世界中のビスポークテーラーに愛されるこの生地から、今回はベージュとネイビー、ブラウンをセレクトしました。

カジュアルに着ることを想定した「THE SHIWA SUIT」ですが、そのナチュラルなシワを最大限に生かすべく、昔ながらの本格的なテーラリングにこだわりました。こちらは松浦氏の私物ゆえかなり着込んだ風合いですが、実際の納品時はもっとパキッとした仕上がりです。見よ、この大きなパッチポケットを。

前身頃全体には薄手の毛芯を、そして肩には極薄のパッドを据えることで、長年着ても立体的なシルエットが型崩れしないように設計。また通気性のよい麻の芯を入れた襟は、職人がアイロンで生地をカーブさせながら仕立てた「一枚襟」仕様。首から肩にかけて吸い付くようにフィットするため、生地の重みを感じにくいのです。
――シルエットもほどよいゆとりがあって、リラックスした雰囲気ですね。
松浦 あくまでも日常着でありたくて、変におしゃれ方向に向かっていないシルエットを目ざしましたから(笑)。昨日は人と会う予定があったのでフライのドレスシャツを着ていきましたけど、個人的には今日みたいな洗いざらしのシャツを、タックアウトして着るのが気分なんです。このゆとり感なら、インナーにスウェットシャツを着てもいいと思います。

オーダースーツさながらのクラシックな仕立てなのに、スウェットシャツにスカーフを巻いたりして、スニーカーを合わせても全く違和感ないのが「THE SHIWA SUIT」の魅力。もちろんドレスシャツやネクタイにも似合いますから、パーティやイベントごとに重宝します。パンツ単体、ジャケット単体でも使えますよ。
ふつうなのになにかが違う!

実は「THE SHIWA SUIT」には共生地のバケットハットも付属。リネンスーツとバケットハット、スニーカー、帆布のマガジンバッグ(近日発売)という着こなしが、どこかパリ的です!
――デザイン的にはいたってベーシックなスーツのように見えますが、どんなところにこだわっているんでしょうか?
松浦 一見するとふつうっぽいでしょう? でも実はこのジャケット、腰のパッチポケットがすごく大きいんです。これはぼくの個人的な希望でもあって、旅にもってこいの機能。文庫どころか四六判の単行本でも入るくらいのサイズにしてもらいました。しかも内側には小さめのハンドポケットをつけた二重構造で、その裏には柔らかなコットンネル素材を使っています。旅行中の肌寒い日に手を突っ込むとあったかいだろうと思って。



本でも地図でもキャンディでも、なんでも無造作に放り込める大きなポケットと、手を入れたときにほっとひと息つける柔らかなハンドポケットという二重構造。パパスのサイのマークはちょっと嬉しいオマケです。
――それは気が付きませんでしたが、確かにポケットが大きいですね!
松浦 逆に胸ポケットはちょっと浅めにして、メガネを挿しやすいようにしています。そうなるとペンを挿れるには浅すぎるから、ペンポケットは裏側につくってもらいました。

あると嬉しい、ペンポケットも装備。
――キャンディストライプの裏地もすてきですね。
松浦 これもドレスシャツに使われるくらい上質なリネン生地なんですが、このグレイッシュなピンクは、ぼくが好きな色なんです(笑)。袖を無造作にまくったときに、ちょっとだけ見えるといいですよね。ほかにもこのスーツには、寒いときに上まで留められるフロントボタンや、ベルトループに加えて、サイドアジャスター仕様のパンツ、そしてよく探さないとわからない(笑)「P」の刺繍マークなど、ぼく好みのデザインや機能がぎっしり詰まっています。しかも、共生地で仕立てたバケットハットもセットにしています。




袖口はひとつボタン仕様で、折り返すとピンクのキャンディストライプが顔を覗かせます。カジュアルに着たいスーツなので、袖丈はいつものテーラードジャケットよりちょっと長めに設定するのがおすすめ。




内側に刺繍した「P」マークや蝶貝製の力ボタンなど、さりげなくもおしゃれなディテールの数々。フロントボタンはラペルの裏にまで使っているので、寒い日は上までボタンを留めて着られますよ。




パンツのウエストはベルトループとサイドアジャスタの併用で、裏側にはサスペンダーボタンを配した、英国はサヴィル・ロウのビスポークスーツさながらの仕様。3通りの穿き方が楽しめます。ゆったりとした太さで動きやすい。ちなみに松浦氏が推奨するパンツの仕上げはダブルの5㎝。どっしりしたリネン生地との相性が抜群です。




「THE SHIWA SUIT」のジャケットには、共生地のバケットハットが付属。近ごろ入手困難とウワサの、帆布製バケツトートバッグの新型となるマガジンバッグ(¥12,000+税)や、意外にも今までなかった製品染めのスウェットシャツ(¥34,000+税)と合わせて、カジュアルに着こなしましょう。11月に開催する限定オーダーイベントでは、松浦氏が肝煎りでつくったアイテムも展開されるので、ぜひチェックして!
デニムのように付き合えるリネンスーツが完成!

まるで穿き込んだデニムのセットアップを着ているかのような、力の抜けた雰囲気がかっこいい「THE SHIWA SUIT」。オフィスでの作業にも、近所の散歩にも、週末のランチにも、そして旅にも・・・。いつものワードローブにこんな一着が加わったら、毎日が楽しくなるはずです。
――実は凝りに凝っているのに、決してこれ見よがしじゃなくて、ふつうっぽく着られるところが松浦さんっぽいというか、パパスっぽいなあ!
松浦 ぼくは今、このスーツを毎日のように着ていますが、着るほどに柔らかくなって、着れば着るほど味の出る、デニムのような服だなって実感しますね。できたらネイビーとブラウンも購入したいくらい(笑)。実はぼく、このスーツはデニムみたいに水洗いして着ているんですよ。

――「このクラスの仕立てのスーツを水洗いするなんて!」とパパスのデザイナーが驚いていました(笑)。
松浦 さすがに洗濯機にはかけませんが、汗をかいたらシャワーでざっと洗って、ハンガーにかけておけばすぐに乾きます(笑)。このスーツは、そんなふうに〝ふだん着〟として楽しんでもらえたら嬉しいですね。ぼくはもうすぐパリに出かけるんですが、当然このスーツを着ていきますよ!
――ぜひともSNSで発信してください(笑)。パリの街になじんだシワスーツの姿を、楽しみにしています!
伊勢丹メンズ館5階で
THE SHIWA SUIT
オーダーイベントを開催!
松浦弥太郎とパパスがつくった渾身のスーツ「THE SHIWA SUIT」は受注生産。11月4日(水曜)〜10日(火曜)まで伊勢丹メンズ館5階で開催するポップアップストアで、いち早くオーダーできます。このイベントでは、帆布製マガジンバッグの先行販売に加え、初のお目見えとなる製品染めスウェットの販売など、盛りだくさんの内容でお届けしますので、ぜひご来店ください! 松浦弥太郎の在店も予定しています。
日程:11月4日(水曜)〜10日(火曜)
価格:ジャケット(バケットハット込み)¥170,000+税・パンツ:¥70,000+税
販売方法:ジャケットでS〜XLまでの5サイズ、パンツでS〜3Xまでの7サイズご用意したサンプルをご試着いただいた上での受注生産。ジャケットの袖丈とパンツ丈のみ修理を承ります。
場所:伊勢丹メンズ館5階
納期:2027年3月中旬