Vol. 7
職人気質のスタイリスト
村上忠正さんが
選んで着こなす!
パパスの秋冬コレクション
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長すぎた夏もようやく終わって、パパスもすっかり秋冬モード。重ね着ができる喜びを、これほど実感できる年はありません! そこでパパスは、人気スタイリストの村上忠正さんをプレスルームにお招きし、私たち自慢の最新コレクションをチェックしてもらいました。レイヤードや配色センスの巧みさで知られる村上さんはどんなアイテムを選び、そして着こなすのか? 今季のお買い物の参考にしてください!
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- # 村上忠正
80年代のパパスには手を出せなかった!
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「パパスって、子供がおいそれと手を出していい服じゃないと思っていたよ」
そんな思い出を語ってくれた村上忠正さんは、1969年東京生まれ。自身のファッションにおける原風景は、DCブランドと渋カジブームの端境期にあたる、80年代後半にあると振り返ります。
「当時はテンダーロインを立ち上げた辺見(馨)くんたちとよく遊んでいて、渋谷のバックドロップでバンソンの革ジャンを買ったりしてた。DCブランドを着ていたような人たちがアメカジにシフトしていく最前線にいたのかな。そこからアメカジの人たちが渋谷にたむろし始めるんですよね。パパスはちょうどそんな時代にできたブランドだったけど、徹底的に大人のイメージで、自分のようなガキが着ても絶対に似合わないと思ってました。ぼくはその頃から日本のブランドを着なくなったから、ずいぶん間が空いちゃったけど(笑)、この歳になってから見ると、改めていいですよね」
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アーネスト・ヘミングウェイを理想の男性像として掲げ、1986年に創設したパパスは、俳優の三國連太郎さんや中村嘉葎雄さんといった、成熟した大人の男を広告に起用。当時の若者たちには少々敷居が高かったようです。
30年以上の歳月を経て、すっかりいい味の大人になった村上さんが、初めてトライするパパスのワードローブ。その感想はいかがでしょうか?
「このツイードのセットアップなんてまさにそうだけど、〝どこにも属さない〟感じが逆にいいですよね。あと、奇を衒ったものはないけれど、細部までこだわったつくりがまたすごい。このサスペンダーボタンの補強の仕方なんて、既製品のブランドでやってるところないでしょ(笑)。やっぱワークパンツってこうじゃなきゃ」
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ファッション業界では職人気質の仕事で知られる村上さんだけに、洋服に対する着眼点はマニアックそのもの。パパスのこだわりにも、瞬時に反応してくれました。いったいその視点は、どんな風に養われたんですか?
「実はぼくのスタイリストの師匠は、今ts(s)というブランドをやっている鈴木卓爾さんなんです。師匠はスタイリスト時代からマニアックだったし、原稿まで自分で書いていたので、ぼくは洋服のクレジットを起こすときに、そのディテールを全部チェックしていました。プリーツひとつとっても、こっちはツーアウトプリーツで、あっちはインボックスプリーツだとか(笑)。センスはその人自身のものだから、師匠から学んだということはないけれど、そういう影響は多大に受けています。もともとカジュアルな雑誌でやっていたぼくが、今クロージング系の仕事をできているのも、あの時代があったからでしょうね」
普通なようで普通じゃない!
村上流レイヤード術
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トレンチコートを秋冬らしい配色でコーディネート。一見ベーシックだけれど小さなこだわりをたくさん詰め込んだ、村上さんらしい、そしてパパスらしいスタイルです。
「こういう重めの生地に目がいっちゃうんだよな」と、とても楽しそうにパパスのコレクションを選び、渾身のトレンチコートを着こなしてくれた村上さん。ベージュ~ブラウンのトーンオントーンで統一しているからしっくり見えますが、タートルネックカットソーの上に軽めのアウターを着て、さらにフェアアイルニットのカーディガンを重ねてからトレンチコートを羽織るという、相当凝ったレイヤードです。しかもニットもパンツも柄ものなのに、それらが決してケンカしてない! この見事なセンスは、いったいどこから生まれているのでしょうか?
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超長綿で織り上げたギャバジン製のコートに、イタリア製のウールを使ったシャツブルゾン、スコットランドで編んだフェアアイルニット、ハリスツイードのパンツ・・・。世界中から選りすぐった上質な素材のハーモニーが、たまらなく豊かな表情を醸し出します。
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「自分ではわかんないけど(笑)、色合わせに関しては、理由が言えないようなやり方はしたくないタイプかな。あとはベーシックな服こそサイズ感が重要。人に着せるものも、いったん自分で袖を通してみて把握してます」
そんな、長年かけて磨き抜かれた村上さんのコーディネートテクニックは、最近Instagramを通して、若いファッション業界人たちの間で話題になっているのだとか。
「あれはただの売名行為だけど(笑)、毎日当たり前のように着ている服が話題になるなんて、面白いですよね。ただ、昔のスタイリストって、仕事においても自分の着こなしにおいても、今より遥かに厳しく見られていたんですよ。だからぼくも、いいのか悪いのかはわからないけど、人と違うことをやらなくちゃいけないという感覚は強く持っていたと思う。昔は情報発信の手段は雑誌しかなかったけど、今はやろうと思えば誰だって簡単に発信できる。だからこそ、個人がより強く発信しないといけないんじゃないかなあ」
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村上さんが
この秋着たい
パパスの名品7選!
ここからは、今季のコレクションから村上さんが選んでくれた、7つのワードローブをご紹介します。少しヘビーでボリューム感ある素材が、村上さんの気分だとか。早めのチェックがおすすめです!
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1.ツイードのセットアップ
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「ほかにはない個性的な色味と風合いが素敵です」
洒落たワインカラーのスタンドカラージャケットとトラウザース。英国製のツイードながらも、ウールにアルパカを混紡して膨らみ感を持たせたブークレヤーンを使っており、どこか軽妙な色気を感じさせます。ブルゾン感覚で着られるデザインも魅力的。
PAPAS COMPANY TEL 03-5469-7860
2.ツイード製のステンカラーコート
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「チャレンジ精神を掻き立てる一着!」
千鳥格子柄の英国製ツイード生地で仕立てた、シンプルなベルテッドステンカラーコート。深みのある色合いと、軽快な着心地が持ち味です。
- BUYコート ¥143,000
PAPAS COMPANY TEL 03-5469-7860
3.ハリスツイードのサスペンダーパンツ
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「本格的なつくり込み! 正しきおじさんのパンツ」
パパスが長年贔屓にしている、ハリスツイードを使った2タックパンツ。ちょっとゆったり目のテーパードシルエットと、共生地を使ったサスペンダーが、クラシックな雰囲気を盛り上げます。
- BUYパンツ ¥110,000
PAPAS COMPANY TEL 03-5469-7860
4.ナチュラルウールのハーフ丈アウター
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「優しい素材感と色。レイヤードされたキルティングとも好相性!」
テーラードカラーのウール製ブルゾンに、それだけでも着られるキルティング製のブルゾンをライナーとして取り付けた、優しい色合いの一着。ノンミュールジングウール(羊の臀部の皮膚を切り取らない手法で毛を採取したウール)を天然の染料だけで染め上げた、羊毛本来の自然な魅力を楽しめる素材を使っています。
- BUYブルゾン ¥132,000
PAPAS COMPANY TEL 03-5469-7860
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5.チェック柄の
バンドカラーシャツ
「ちょっとぼんやりした柄の表現に、パパスのこだわりを感じる」
細畝コーデュロイにチェック柄のプリントを施した、深みのある色合いのバンドカラーシャツ。風合いも着心地も暖かで、アウターとしても着られそうです。
- BUYシャツ ¥51,700
PAPAS COMPANY TEL 03-5469-7860
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6.スウェットのように柔らかいデニムパンツ
「ワイドなシルエットは
はくだけでお洒落に見える!」
織りの工夫によってスウェットのような伸縮性を持たせた、パパスの冬の定番ともいえるイージーパンツ。起毛加工が施されており、見た目よりも暖かな手触り。ゆったりめのテーパードシルエットで、靴を選ばずはきこなせます。
- BUYパンツ ¥39,600
PAPAS COMPANY TEL 03-5469-7860
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7.圧縮ウールの
カバーオール
「チロリアン風のデザインと
独特な色味が魅力」
オーストラリア産の羊毛に圧縮をかけて、しっかりとした肌触りの生地に仕上げた、ヨーロッパテイストのカバーオール。ラウンドした襟やくるみボタンが洒落たアクセントに。
- BUYカバーオール ¥79,200
PAPAS COMPANY TEL 03-5469-7860
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PROFILE
村上忠正
1969年東京都生まれ。通称「ムラチュウ」。鈴木卓爾さんのアシスタントを経てフリーのスタイリストに。『LEON』や『OCEANS』といったメンズファッション誌のほか、広告、タレントのスタイリングも手がけ、長年にわたって第一線で活躍する。近年では俳優・谷原章介さんのスタイリングも話題に。ラフなカジュアルから正統派のドレスクロージングまでこなせる、唯一の存在です。趣味はサーフィン。毎日のコーディネートを投稿しているInstagramは必見です!
Instagram @tadamasamurakami69